Read Me(はじめに読んでね)

サイト開設の経緯

以前私は、埼玉県新座市の「パレット」という愛称を持つ勤労青少年ホームで、2005年1月からパソコンの初心者向け講座を受け持っていました。残念ながらパレットは2013年の3月を持って閉鎖になりましたが、そのテキストをなんらかの形で残しておこうと、2013年の冬にサイトの開設を思い立ちました。当時のテキストに加筆修正して、再構築していこうと思います。

内容的な方針〜とっつきやすさを最優先に

元が初心者向け講座ですから、このサイトもパソコンに詳しくない人を対象としています。
パソコンに詳しくて「これが知りたい」というのが明確な人は、さまざまなサイトを検索して必要な情報を得られます。でも「なにがわからないのかよくわからない」という初心者にとって、あちこちに散らばる知識の点を自力で結んでいくのはとても難しいものです。
このサイトではあくまで概要を大掴みして、ゼロの部分をイチにしてもらうことを目指しています。その後はもっと詳しい他のサイトを活用してもらえればと思っています。

そのためここでは、「詳しくない時点でもわかりやすい」ことを第一に目指しています。つまり、厳密な正確さよりも、わかりやすさを優先するということです。
ここで少し、理科を例にとってみます。説明として「酸性とは、水に溶かすと電離し水溶液中に水素イオンを生じる、または他の物質に水素イオンを与える物質の性質」と言われても、あらかじめ「電離」や「水素イオン」を知っていないと、そもそもわからないため、難しく感じます。
パソコンに関しても「何かを理解するためにあらかじめ知っていないといけない内容」が多く、それがわかりやすさの邪魔をしています。わからない言葉をパソコン用語集で調べても、今一つピンと来ないことが多いのは、そのためです。

理科の場合は、段階的に知識を得ることで、その難しさを解決しています。小学生で最初に習う時は、「レモンの絞り汁のように酸っぱくて、青いリトマス試験紙を赤くする物質を酸性と言う」と、簡単に習います。この最初に習う定義は、厳密に正確だとは言い切れないけれど、おおむね正しく、しかもとっつきやすいのです。そこで同じようにこのサイトでも、既存の知識と結びつけたり比喩を使ったりして、段階的に説明を進めていくつもりです。厳密さは後回しになっているので、ご了承ください。

デザイン的な方針〜労せず作れて、シンプルに

このサイトは、手軽に、とてもシンプルに作っています。いわば「ホームメイドサイト」です。特にお金を掛けず、Windowsにもとから付いている「メモ帳」で作っています。(このくらいのものを作るのは、すごく簡単 なの です)

インターネットの世界も日進月歩で、サイト作成の技術も洗練されて、お洒落で高度になってきました。ちょっとそこを頑張ってみようかという気持ちもありましたが、やっぱりデザインや設計に手をかけるより、内容の説明に力を入れたいと思い直しました。
なぜって、サイトのデザインの専門学校に通うと何十万円もかかり、何万円もするソフトを買って、それを使って何ヶ月も勉強することになるからです。言うなれば、「おうちで気軽にクッキーを焼いてみたいだけなのに、パティシエになる専門学校に通うなんてやりすぎなのでは……」という感じです。問題は、サイトのデザインに関して、「パティシエの学校はあるけど、ホームメイドクッキーのお教室はなかなかみつからない」状況だったことです。
なのでもう、わかる範囲で手作り感あふれるサイトを作ることにしました。多少不揃いでも不格好でも、手作りのクッキーだったら美味しくいただくと思うのです。このサイトも、全然スタイリッシュで素敵じゃなくってごめんなさい。そこは、ほら……、手作りなので……(てへっ)。

もちろん既存のブログサービスなど、お洒落なデザインの用意されているものを使うことも考えました。でも、ブログは「ある程度慣れた人が快適に情報を探すもの」です。初めての人には不要な情報が多すぎて、かえって使いづらいのです。実際私も講座を通じて、特に不慣れな高齢の方から「どこをクリックするのかよくわからない」との声をよく聞いてもいました。そこで、字を大きく不要な情報は少なく、とにかくシンプルに、わかりやすく使えるようにと考えて作っています。

最後に

ところで、パソコンについて書かれた中で私の大好きな本、『思考のための道具(ハワード・ラインゴールド著、1985年)』には、こんな一節があります。

パーソナル・コンピュータをつくったもっとも重要な動機は、
機械が得意なことは機械にやらせて、
人間は人間の最も得意なことに専念できるようにするためである。

これが、私にはとても印象深いんです。たとえば、たくさんの数字を扱うのは、私なんかよりパソコンの方が圧倒的に得意です。さまざまな数字をいくつもいくつも見比べて全体の傾向を掴むのは大変ですが、パソコンでグラフにすればそれは一目でわかるようになってしまいます。考えるための道具を使えばパッと済むことを自分で頑張るのではなくて、そこは機械にやらせておいて、私たちはもっと知的好奇心や想像力を使って人間らしい豊かな時間の使い方をしよう、というのです。

とはいえパソコンがよくわからないうちは、どうしても面倒くさかったり「機械に使われている」感じがしたりするものです。でも、ちょっとわかると、割とすぐ「使いこなせるものなんだ」という感じに変わってきます。

それでは表紙に戻って、いろいろ読んでみてください。ひとつひとつのことは、疑問を持って調べてみればすぐわかることなのですが、なかなか大まかにまとまっては提示されにくいものばかりです。わからなかったこと、知らなかったことが、「なあんだ、そういうことだったのか」とスッキリ納得できれば嬉しいな、と思っています。