Windows家族

古来、日本人には「ものに心が宿る」という感性があります。古道具が付喪神(つくもがみ)になって夜な夜なパレードするのを想像するのにはじまり、アトムやドラえもんといった機械がこころを備えて人と共に暮らすことも違和感なく受け入れる土壌があると思います。
パソコンの不調に対して「今日は機嫌が悪いなぁ」と言っている人に、「パソコンは無機物だから機嫌や感情など持ち合わせてはない」と本気で反論する人はほとんどいないでしょう。そうなってくると、人の暮らしと共にあり人に役立つOSだって、そのようなものとして思うのにあと一歩です。

ということで、Windowsだって心を備えているように感じるコピペを紹介します。

「コピペ」という名詞

インターネット上には「コピペ」というものが数多くあります。もともと「コピペ」とは本来の用語としては「コピー&ペースト」、つまり「切り取って貼り付け」の略なのですが、その「コピペする」という動詞としてではなく、「コピペ」という名詞としての用法です。
それは匿名の誰かが書いたものが、的を得ていたり印象深かったり面白かったりで、別の機会に別の人にコピー&ペーストされて広まり、その結果として多くの人が知るものとなったもののことを言います。

Meたんのコピペ

私はWindowsMEのことは、ミレニアム・エディションの頭文字としてMEと表記しますが、使っている人にとっては起動画面にWindowsMeと表示されるのでMeのほうが馴染み深いようです。「たん」は言うまでもなく、「ちゃん」の舌足らずな表現ですね。

私は使ったことがありませんが、MEは動作が不安定でよくフリーズするOSであまり評判が良くなかったそうです。その教訓を活かしたのか後続のXPは安定していました。それで新しいXPはとても歓迎され、MEは残念なOSだったという扱いとなりました。そんな時に生まれたのが、MEだって頑張ったんだよね、という気持ちにさせる下のコピペです。インターネット上では、Windowsの変遷を振り返る際にはきっと誰かが貼る、切ないコピペです。

ごしゅじんさま、いままで、とてもたのしかたです。
よく歩りーずしておこられたけど、やくにたたなで、ごめんなさい。
ごしゅじんさまが、いれるよていの、えくすぴーはあたしのいもおとです。
いもおとだけど、あたしみたいに、やくたたずではありません。
すなおなこで、でふらぐも、とくいです。
すたいるもいいから、ほんとはちょっと、くやしいです、
いもとを、かわいがってもらえると。おねえさんとして、うれしいです。
いままでつかえないこで、・ごめんなさい..
そして、つかってくれて、ありがとおゴザいました。
あたしは、もう、きえちゃうけれど¥、さいごに、おねがいがあります。きいてくれると、うれしいです。
ごしゅじんさまの、もっている、えむいーのディすく、すてないでください。
あたしが、はいっています。いまのあたしじゃ、ないけど、あたしです。
どきどきみたり、さわったり。、してくれるとうれしいです。
ごしゅじんさまにあえて、えむいは、
しあわS

誤字脱字もあるけれど、一生懸命伝えようとして、でも最後まで言えないうちにMEは止まってしまいました……。キューブリック監督の代表作ともいえる映画の「2001年宇宙の旅」で、素晴らしい人工知能なのに予防的な措置として停止処理をされ、少しずつ壊れていくHALの最期を連想させます。

パソコンの中で、こんな健気な子が頑張っていると考えると、なんだか可愛いですね。OSなんて馴染みのないものではありますが、ちょっとでも身近に感じてもらえれば嬉しいです。